くすみ書房



「大人の絵本フェア」開催中!
大人の絵本フェア

大人にこそ、読んで欲しい絵本がたくさんあります。
くすみ書房が提案する、「大人の絵本フェア」。
柳田邦男氏の「砂漠でみつけた一冊の絵本」で紹介されている絵本の中から、 約50冊を紹介します。
さらにくすみ書房がおすすめする絵本50冊を加えて、 約100冊ほどの規模のフェアです。

大人の絵本フェア大人の絵本フェア


砂漠でみつけた一冊の絵本 柳田邦男



「砂漠でみつけた一冊の絵本」
+柳田邦男 著
+岩波書店 (2004-10-06出版)



☆新たに約100冊の絵本が追加されました!
落合恵子氏の「絵本屋の日曜日」に紹介されている、
疲れた大人たちにおすすめの絵本約100冊がフェアに加わりました。
絵本屋の日曜日 落合恵子




「絵本屋の日曜日」
*落合恵子 著
*岩波書店 (2006‐4‐26出版)




☆月刊「プレジデント」7月号 新刊書評 掲載記事
文=久住邦晴(久住書房店主)  

「絵本屋の日曜日」   
 団塊の世代にとって落合恵子といえば「ああレモンちゃんね」と若かりし頃の深夜放送を懐かしく思い出す。
その落合恵子が〈クレヨンハウス〉という子どもの本の専門店を開いて30年になるという。計算すると30歳くらいで始めたことになる。当時、彼女は何冊かの本を出してそこそこ売れていたし、マスコミにもたびたび登場し注目されていた中での勇気ある転身。
噂を聞いて北海道からわざわざ見に出かけた。渋谷の中通りを捜しながらようやくたどり着くとスーツ姿で入るには多少勇気が必要なほど、洗練された女性と、品の良さそうな子供たちの世界が広がっており、自分の店の児童書売り場とのあまりの違いに愕然としながら早々と店を後にした記憶が残っている。
あれから上京のたびに何度も訪れ、落合恵子のつくりあげた上質な子どもの本の世界を味わっている。あれだけの店を維持していくのには大変なご苦労があったと思うが、それを感じさせないだけの子どもの本への想いがあるのだろう、いつ行っても新鮮で活気あふれる素晴らしい店だ。
 さて、その落合恵子の新刊「絵本屋の日曜日」。
もちろん子どもの本のことが書かれている。でも今回は疲れた大人のための本なのである。そう、今大人たちは疲れている。とても疲れている。
“心がひりひりしたり”“どないしたらええのやろ、と迷ったり”、そして自分であることに疲れている”のだ。
そんな大人たちにレモンちゃんはやさしく「こんな絵本がありますよ」とそっと教えてくれる。たとえば、一日の終わり、疲れ果て“火照った足の裏をもてあました”あなたには、ユリー・シュルヴィッツ作の『よあけ』。時が滑り落ちていく「音」を聞いたことがあるだろうか?かすかに葉ずれの音をたてて渡っていく風を見たことがあっただろうか。時が過ぎる音を聞き、風を見たかったら、この本の中のおじいさんを孫のように、湖のほとりで毛布にくるまって夜明けを待つことだ。一歩しりぞいた闇と、一歩踏み出した光が交差するあたり、ふたりは湖にボートをこぎだす。澪を引いて、少し前まで夜の闇に消されていた色彩がよみがえってくる。山の緑、湖の蒼さ、草の柔らかな緑が、いま。ゆっくりと流れる時間。都会にはない冷気。夜の深さと、朝の大気の凛々しさが対峙する時空。1冊の絵本の中にこんなにも深く豊かな宇宙がある。目づまりを御こし気味だった五感がふっくらと再生する瞬間がここに“周囲の期待が重すぎる”あなたには、ジョン・セバスチャン作 『こぐまくんのハーモニカ』。ハーモニカがとても上手なこぐまくんはみんなから「大人になったら名演奏家のおとうさんみたいになれるかもしれないぞ」を褒められる。でも、こぐまくんは、“お父さんは大好きだけど、お父さんみたいになるためにぼくは生まれてきたわけじゃない。どうして大人は比べたがるのだろう”そこでこぐまくんはハーモニカをやめることにした。さて…。
 この本には100通りの「こころの処方箋」がある。“大人のための絵本”のすすめといえば柳田邦男の『砂漠でみつけた一冊の絵本』が名著だが、この『絵本屋の日曜日』もすぐれたガイドブックとして、疲れた大人たちに元気とあたたかさとやさしい気持ちを取り戻す手助けになってくれるだろう。





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